短答式、択一式試験の勉強法

会計士や司法試験のみならず、司法書士や行政書士、不動産鑑定士や社労士試験でも、複数の選択肢から正解を選択する、短答式・択一式試験(選択式、肢別ともいいます)があります。

今回は短答式・択一式試験の勉強方法を述べます。

私は、会計士と司法試験を通して、短答式は得意としており、成績はいずれも良かったです。それはシンプルに次の4つの約束を守って勉強していたからです。

1 過去問のみを解く。

2 正答率75%以上の問題のみを解く

3 以上を最低3周する

4 (条文問題の場合)必ず条文に立ち返る。

それぞれ解説してゆきます。

1 過去問のみを解く。

短答式・択一式試験の対策は、過去問だけを解きましょう。オリジナルの問題集もありますが、不要です。過去5年の過去問を複数回まわすだけで、十分です。

過去問だけで足りるのか、と不安になる方もいらっしゃると思いますが、これは”足りる”と断言できます。そもそも短答式・択一式では正解の選択肢を選ぶことになりますが、すべての選択肢の正否を判断する必要はありません。5つの肢のうち、どれかひとつだけでも正否がわかれば、それだけで選択肢は相当程度狭まり、2つわかればほとんど正答が可能です。また法律系の資格試験であれば、短答式・択一式で問われるのは、条文知識です。問われる条文はおのずと限定されますから、繰り返し出題される傾向にあります。ですので、一見膨大な知識が問われていると尻込みしてしまいますが、合格するためには、確実な基礎知識で十分です。

もし手元に過去問以外のオリジナル問題集があるのであれば、すぐに解くのをやめましょう。過去問だけで必ず合格できます。

2 正答率75%以上の問題のみを解く

司法試験の短答式・択一式試験の問題集には、出口調査に基づいた各問題の受験生正答率が記載されていました。司法書士や行政書士試験等でも同様の問題集があるのではないでしょうか。

実際に解く問題は、全受験生の正答率75%以上の問題を集中的にやりましょう。それでも物足りない場合に、70%、65%と下げていきましょう。

過去問の中には多くの受験生が間違える問題というものがあります。周りも間違えるのであれば、それは基礎知識ではないということです。次に出題されても多くの受験生が間違えるため、合否のボーダーに影響しませんし、再度出題される可能性も高くありません。そのような難しい問題に時間をかけるのであれば、周りの受験生が当たり前のように正解してくる問題を3問解きましょう。

試験勉強の基本は、周りを出し抜こうとしない、これに尽きます。戦時中の言葉を借りるのであれば、一億玉砕で試験には臨むべきです。

3 以上を最低3周する

全受験生の正答率75%以上の問題を最低3回は解きましょう。

記憶は薄れます。昨日解いた問題はほとんど忘れます。繰り返し愚直に解くことでやっと記憶に定着します。したがって最低3回は解きましょう。3回解けば相当定着します。5回回せば大丈夫です。

短答式・選択式の勉強方法は簡単です。みんなが正解する選択肢を選べるように、基礎知識を定着させる。これだけです。

4 (条文問題の場合)必ず条文に立ち返る

司法試験の短答式・択一式試験は、条文問題がでます。司法書士や行政書士、社労士試験も各関係法令の条文問題が出るものと思われます。そのような問題が出た場合、めんどくさがらずに、必ず条文を引いて確認することが大切です。この作業は必ず怠らないようにしてください。

まず知識の定着度が違います。自分で条文を引いて確認するというひと手間が加えるだけで記憶に長く残ります。

また試験員が重要と考えている条文を出題しているわけですから、問われた条文が違う角度から再度出題される可能性もあります。そのため条文の全てを確認する必要があります。

最後に、短答式・選択式の後に論述式試験が控えている場合、条文を引く癖がついていると非常に有利です。問題となっている条文にすぐにたどりつけるからです。

以上のように、条文に立ち返ることは多くのメリットがあります。

必ず座右に六法を置いて短答式・択一式を解くようにしてください。

5 総括

短答式・択一式の勉強方法はシンプルです。受験生の正答率の高い過去問を繰り返し解く。そして条文問題の場合は必ず条文に立ち返る。これだけを愚直に繰り返せば必ず合格できます。

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